小さな黒猫

昔から動物は好きだった。
動物と限らず赤ちゃんも大好きだ。
ある日の仕事帰りに寄ったドラッグストアの隣の空き地から、「ミーミー」とか弱い鳴き声が聞こえた。
伸びた草の隙間から覗いて見ると、本当に小さい黒い子猫が鳴いていた。
気になりつつも、取り敢えず買い物を済ませた。
帰りに覗いて見るものの、子猫は移動していない。
よく見ると目が腫れている。
その周りを虫が飛んでいて、不快か痛かったのかもしれない。
私が見たことのある子猫は走って逃げて行けるのだが、この子猫は動く気配がない。
そのまま抱き上げ、鞄を開けてハンカチで包んで顔を出してあげて、近所の動物病院へ連れて行った。
目薬を貰って、食べ物のあげ方を教えて貰って家に連れ帰った。
子猫は生後二週間ほどで、目は腫れは引いたものの両目とも悪いようで光は一部見えるようだが、普通の視力はないということだった。
猫アレルギーにも関わらず、空気清浄器を買って、毎週猫をお湯でよく洗ってアレルゲン対策をして面倒を見た。
赤ちゃん用の哺乳瓶でミルクをあげても飲まないから心配したが、動物用の哺乳瓶だとゴクゴク飲んだので安心した。
何度も病院へ連れて行って手探りで育てた小さな黒猫。
一年以上一緒に暮らしたが、今は余所で暮らしている。
今でも時々元気かなと、気になる程とても可愛がっていた猫だった。